「プレオルソは毎日つけないといけないの?」
「子どもが装着を忘れてしまったらどうしよう」
「仕事や家事で忙しくても、家庭でサポートできる?」
お子さまの歯並びが気になり、プレオルソによる小児矯正を検討している保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
プレオルソは、取り外しのできるマウスピース型の矯正装置です。学校生活への影響を抑えながら治療に取り組める場合がある一方で、毎日の装着やお手入れなど、ご家庭での協力が重要になります。
特に4〜10歳頃のお子さまの場合、自分一人で装置の管理や使用時間を守ることは簡単ではありません。
また、プレオルソによる小児矯正では、装置を使用することに加えて、必要に応じて舌や唇などのお口周りの筋肉を適切に使うためのトレーニングを行うこともあります。
しかし、保護者の方が毎日厳しく管理したり、無理に装置をつけさせたりする必要があるという意味ではありません。
大切なのは、お子さまが安心して治療に取り組める環境をつくり、無理のない方法で継続をサポートすることです。
今回は、プレオルソの装着時間や家庭でのトレーニング、装置のお手入れ、子どもが嫌がる場合の対応など、治療を続けるために知っておきたいポイントについて詳しく解説します。
プレオルソとは?家庭での使用が中心となる小児矯正
プレオルソは、主に成長期のお子さまを対象とした、取り外し式のマウスピース型矯正装置です。
歯並びや噛み合わせに加えて、舌や唇、頬などのお口周りの筋肉の働きにも着目し、成長期のお口の環境を整えることを目指します。
一般的なワイヤー矯正は、歯に装置を固定して継続的に力を加える治療です。
一方、プレオルソは取り外しができるため、食事や歯磨きの際に装置を外すことができます。
また、日中の決められた時間や就寝時など、自宅で使用する治療計画になることが多く、学校で装着する必要がない場合もあります。
ただし、装置を自由に取り外せるということは、使用状況がご家庭での取り組みに左右されやすいということでもあります。
歯科医院で装置を受け取っただけでは治療が進むわけではありません。
歯科医師から指示された使用方法を守り、継続して取り組むことが大切です。
なぜプレオルソ治療には家庭の協力が必要なの?
プレオルソ治療では、歯科医院での診察や装置の確認だけでなく、日常生活の中での使用が重要になります。
特に小さなお子さまの場合、毎日決まった時間に装置をつけたり、使用後に洗浄したりすることを自分だけで続けるのは難しいことがあります。
また、治療を始めたばかりの頃は、装置に慣れず、つけることを忘れたり、途中で外してしまったりすることもあるでしょう。
そのため、保護者の方が声をかけたり、装置を管理したりすることが必要になります。
ただし、家庭での協力とは、毎日厳しく管理することではありません。
お子さまの年齢や性格、生活リズムに合わせて、無理なく取り組める環境を整えることが大切です。
また、装置を使用しているときの様子を観察することで、痛みや違和感などの変化に気づきやすくなるというメリットもあります。
プレオルソは1日何時間つけるの?
プレオルソの装着時間は、保護者の方が特に気になるポイントの一つです。
一般的には、日中の一定時間と就寝時の使用が案内されることがあります。
ただし、具体的な装着時間や使用方法は、装置の種類やお子さまのお口の状態、治療計画によって異なります。
そのため、必ず担当の歯科医師から説明された方法を守ることが重要です。
「長くつければ早く治るのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、自己判断で装着時間を増やせば、必ず治療が早く進むというものではありません。
反対に、装着時間が不足すると、期待した治療効果が得られにくくなる可能性があります。
また、装置をつけ忘れた日があった場合に、翌日にまとめて長時間使用するなどの対応も自己判断では行わないようにしましょう。
装着時間について不安がある場合には、歯科医院へ相談することが大切です。
毎日続けるためには「生活習慣」に組み込むことが大切
プレオルソを無理なく続けるためには、毎日の生活の中で装着するタイミングを決めておくことが役立ちます。
例えば、夕食後に歯磨きをしたら装置をつける、就寝前の準備と一緒に装置を確認するなど、すでに習慣になっている行動と結びつける方法があります。
毎日違う時間に「今日はいつつけようか」と考えるよりも、決まった流れをつくることで忘れにくくなる場合があります。
ただし、習い事や学校行事などで生活リズムが変わる日もあるでしょう。
そのようなときに、無理に予定を詰め込む必要はありません。
継続が難しい場合には、家庭の生活リズムを歯科医院へ伝え、どのように装着時間を確保するか相談することも大切です。
プレオルソは一定期間継続して使用する治療です。
一日だけ完璧にできることよりも、長期的に続けられる環境をつくることが重要になります。
子どもがプレオルソを嫌がったらどうする?
プレオルソを始めたばかりの頃は、装置を嫌がるお子さまもいます。
口の中に異物が入ることへの抵抗感や、装着時の違和感、話しにくさなどが理由になることがあります。
また、装置をつけること自体が面倒に感じられたり、遊びを中断することが嫌だったりする場合もあります。
ここで大切なのは、嫌がっている理由を確認することです。
単に装置に慣れていない場合と、痛みがある場合では対応が異なります。
特に、強い痛みや歯ぐきの傷、出血などがみられる場合には、無理に装着を続けず、歯科医院で確認してもらいましょう。
また、装置を嫌がるからといって、叱ったり無理やり装着させたりすると、治療そのものに苦手意識を持ってしまうことがあります。
お子さまの気持ちを確認しながら、安心して取り組める方法を一緒に考えていくことが大切です。
「できたこと」を認める声かけを
小児矯正では、保護者の方の声かけも重要な役割を持っています。
「またつけ忘れたの?」
「ちゃんとやらないと歯並びが治らないよ」
と注意することが続くと、お子さまにとってプレオルソが嫌なものになってしまう場合があります。
そのため、できなかったことだけに注目するのではなく、できたことを認める声かけを意識してみましょう。
例えば、「今日は自分から装置を準備できたね」「昨日よりスムーズにつけられたね」など、小さな変化を一緒に確認する方法があります。
また、装着できた日にカレンダーへ印をつけるなど、取り組みを目に見える形にすることも一つの工夫です。
ただし、装置をつけられなかった日があっても、必要以上に責めることは避けましょう。
お子さまが前向きに治療へ参加できることが、長く続けていくための大切なポイントです。
プレオルソと一緒に行うMFTとは?
プレオルソによる小児矯正では、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)を取り入れることがあります。
MFTは、舌や唇、頬などのお口周りの筋肉を適切に使えるようにするためのトレーニングです。
子どもの歯並びや噛み合わせには、歯やあごの大きさだけでなく、舌の位置や唇の使い方、飲み込み方などが関係している場合があります。
例えば、舌で前歯を押す癖が続いていたり、普段から口が開いていたりする場合には、お口の機能を確認することが大切です。
MFTでは、舌を適切な位置に置く練習や、唇を閉じる練習、飲み込み方の練習などを行います。
ただし、すべてのお子さまに同じトレーニングが必要というわけではありません。
お口の状態を確認し、必要な内容を選択していきます。
MFTは家庭でも続けることが大切
MFTは、歯科医院で一度練習すれば終わりというものではありません。
舌の位置や飲み込み方は、日常生活の中で繰り返される動作です。
そのため、歯科医院で練習した内容を、ご家庭でも継続することが大切になります。
例えば、舌を適切な位置に置く練習をした場合でも、日常生活では以前と同じ舌の位置に戻ってしまうことがあります。
正しいお口の使い方を身につけるためには、繰り返し練習し、少しずつ習慣化していく必要があります。
ただし、自己判断でトレーニングの回数を増やしたり、難しい練習を追加したりすることは避けましょう。
MFTの内容や回数は、お子さまのお口の状態や発達段階に合わせて調整することが大切です。
ご家庭では、歯科医院で説明された方法を守りながら、無理のない範囲で取り組みましょう。
お口ぽかんや口呼吸にも目を向けましょう
プレオルソやMFTに取り組む際には、普段のお子さまのお口の様子を観察することも大切です。
例えば、テレビを見ているときに口が開いている、寝ているときに口呼吸をしている、食べ物を飲み込むときに舌が前へ出ているなどの様子がみられることがあります。
こうした状態には、舌や唇の使い方だけでなく、鼻づまりなどが関係している場合もあります。
特にアレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまり、扁桃・アデノイドなどの問題がある場合には、耳鼻咽喉科での診察が必要になることがあります。
鼻で十分に呼吸できない状態で、無理に口を閉じさせることは適切ではありません。
お口ぽかんや口呼吸が気になる場合には、原因を確認したうえで対応することが重要です。
プレオルソのお手入れも家庭での大切な役割
プレオルソは毎日お口の中に入れる装置のため、清潔に保つ必要があります。
使用後は、製品や歯科医院の指示に従って洗浄しましょう。
熱いお湯を使用すると装置が変形する可能性があるため、避けることが大切です。
また、研磨剤を含む歯磨き粉などは、装置の表面を傷つける場合があります。
洗浄方法や使用できる洗浄剤については、歯科医院で確認しておくと安心です。
装置を使用していないときは、指定されたケースなどで保管し、紛失や破損を防ぎましょう。
小さなお子さまの場合、装置をティッシュに包んだまま捨ててしまったり、置き忘れたりすることもあります。
そのため、装置を外したら決まった場所に保管する習慣をつけることもおすすめです。
装置をつけ忘れた場合はどうする?
毎日使用するプレオルソですが、旅行や学校行事、体調不良などで装着できない日が出てくることもあります。
そのような場合に、自己判断で翌日の装着時間を増やしたり、無理に使用したりすることは避けましょう。
装着できない日が続く場合や、長期間使用していなかった装置を再開する場合には、歯科医院へ相談することが大切です。
特に成長期のお子さまは、短期間でも歯の生え変わりやお口の状態が変化することがあります。
そのため、以前使用できていた装置でも、長期間使用していない間に適合状態が変わっている可能性があります。
装置が入りにくい、強く当たる、痛みがあるなどの場合には、無理に装着しないようにしましょう。
プレオルソ治療中の定期的なチェックも重要
プレオルソを毎日使用していても、ご家庭だけでは分からない変化があります。
例えば、永久歯への生え変わりや噛み合わせの変化、装置の適合状態などです。
そのため、治療中は歯科医院で定期的に状態を確認することが重要です。
診察では、装置を適切に使用できているか、歯並びや噛み合わせにどのような変化があるか、永久歯への生え変わりが進んでいるかなどを確認します。
また、必要に応じてMFTの内容を見直すこともあります。
プレオルソは、装置を渡して終わりの治療ではありません。
お子さまの成長に合わせて経過を確認しながら進めることが大切です。
小児矯正中もむし歯予防を忘れずに
プレオルソ治療を始めると、どうしても歯並びや装着時間に意識が向きやすくなります。
しかし、矯正治療中もむし歯予防は欠かせません。
特に4〜10歳頃は、乳歯から永久歯への生え変わりが進む時期です。
生えたばかりの永久歯はむし歯への注意が必要であり、歯の高さがそろっていないため、歯ブラシが届きにくい場所もあります。
なんばエッセ歯科・小児歯科クリニックでは、お口の状態に応じて1〜3か月に一度の定期検診をおすすめしています。
定期検診では、むし歯や歯ぐきの状態だけでなく、歯磨きの状態、永久歯への生え変わり、歯並びや噛み合わせなども確認します。
必要に応じてブラッシング指導やフッ素塗布などの予防処置を行い、健康な歯を守りながら小児矯正を進めていきます。
また、矯正治療の経過確認は、治療内容に応じて別の間隔で行う場合があります。
プレオルソだけで矯正治療が終わるとは限りません
プレオルソを毎日頑張って使用していても、必ずプレオルソだけで矯正治療が完了するわけではありません。
子どものお口は、あごの成長や永久歯への生え変わりによって大きく変化します。
そのため、プレオルソによる治療後も、永久歯の位置や噛み合わせによっては追加の矯正治療が必要になる場合があります。
当院では、お子さまのお口の状態に応じて、インビザライン・ファーストなどの治療方法も検討しています。
プレオルソだけで治療を終えることを目的とするのではなく、将来的に健康な歯並びや噛み合わせを目指すことが重要です。
最後に
プレオルソによる小児矯正では、歯科医院での診察だけでなく、ご家庭での取り組みも大切な役割を持っています。
しかし、「毎日きちんと装着させなければ」「トレーニングを忘れないようにしなければ」と、保護者の方が必要以上に負担を感じる必要はありません。
小児矯正は、お子さまの成長に合わせて進めていく治療です。
装置にすぐ慣れるお子さまもいれば、少し時間がかかるお子さまもいます。
当院では、歯並びや噛み合わせだけでなく、お口の機能や生活習慣にも目を向けながら、お子さま一人ひとりに合った治療を考えています。
プレオルソの装着が難しい場合や、MFTを続けることに不安がある場合には、ご家庭だけで抱え込まずにご相談ください。
お子さまと保護者の方、歯科医院が協力しながら、無理なく治療を続けられるようサポートしていきたいと考えています。