TOPICS 医療コラム

小児矯正はいつ始めるべき?

「子どもの歯並びが少し気になるけれど、まだ様子を見てもいいのかな?」
「小児矯正は何歳から始めるのがいいの?」

このようなご相談を保護者の方からよくいただきます。

小児矯正というと、「永久歯がすべて生えそろってから始めるもの」と思われる方も少なくありません。しかし実際には、お子さまの成長を活かせる時期だからこそ行える治療があります。

歯並びは遺伝だけで決まるものではなく、あごの成長や舌の使い方、呼吸の仕方、食べ方など、日々の生活習慣も大きく関係しています。

そのため、小さいうちからお口の成長を見守り、必要なタイミングで適切なサポートを行うことが、将来のきれいな歯並びや健康なお口につながります。

今回は、小児矯正を始めるタイミングや治療のメリットについて詳しくご紹介します。



小児矯正とは?

小児矯正とは、お子さまの成長を利用しながら歯並びや噛み合わせを整えていく治療です。

大人の矯正は歯を動かして歯並びを整えることが中心ですが、小児矯正では歯だけでなく、あごの成長やお口周りの筋肉の発達も考えながら治療を進めていきます。

成長期だからこそ、あごの発育をサポートしたり、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保したりすることができます。

そのため、お子さまの成長を活かせる時期に始めることで、大人になってから矯正治療を行う場合とは異なるメリットが期待できます。



小児矯正は何歳から始めるの?

「何歳から始めればいいですか?」という質問は非常によくいただきます。

実際には年齢だけで決まるものではありませんが、一つの目安となるのは4〜10歳頃です。

この時期は乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」と呼ばれ、永久歯への生え変わりが始まります。

また、あごも大きく成長する時期であり、この成長を利用できることが小児矯正の大きな特徴です。

もちろん、お子さまによって成長のスピードは異なります。

そのため、「まだ早いかな」と思っていても、一度相談していただくことで、今すぐ治療が必要なのか、それとも経過観察でよいのかを判断することができます。

早めに相談したからといって、必ずすぐに矯正を始めるわけではありません。

適切なタイミングを知るためにも、まずは一度ご相談いただくことをおすすめしています。



早く始めるメリットとは?

小児矯正を早い時期から始めるメリットはたくさんあります。

最も大きなメリットは、お子さま自身の成長する力を利用できることです。

例えば、永久歯が並ぶスペースが不足している場合でも、あごの成長を促しながらスペースを確保できる可能性があります。

その結果、将来的に永久歯を抜歯せずに矯正できる可能性が高まることもあります。

また、噛み合わせの改善によって食べ物をしっかり噛めるようになったり、歯磨きがしやすくなったりすることで、むし歯や歯周病の予防にもつながります。

歯並びは見た目だけでなく、お口全体の健康にも深く関わっているのです。



歯並びは生活習慣の影響も受ける

歯並びは遺伝だけで決まるものではありません。

最近では、

・口呼吸
・舌の位置
・飲み込み方
・頬杖
・指しゃぶり
・姿勢

などの生活習慣がお口の成長に影響することが分かっています。

例えば、口呼吸が続くと舌が正しい位置に収まらず、あごの成長や歯並びに影響することがあります。

また、舌で前歯を押す癖があると出っ歯や開咬の原因になることもあります。

そのため、歯だけを見るのではなく、お口全体の機能を確認することがとても大切です。



当院の小児矯正について

当院では、お子さまのお口の状態や成長に合わせて、一人ひとりに適した治療方法をご提案しています。

取り扱っている小児矯正には、プレオルソインビザライン・ファーストがあります。

プレオルソは、お口周りの筋肉や舌の正しい使い方を身につけながら、お口の機能改善を目指すマウスピース型矯正装置です。

一方、インビザライン・ファーストは透明なマウスピースを使用し、永久歯への生え変わりの時期に歯並びを整えていく治療方法です。

お子さまのお口の状態によって適した方法は異なるため、しっかりと診査・診断を行ったうえでご提案しています。



MFT(口腔筋機能療法)も大切です

歯並びを整えるためには、歯だけを動かせばよいわけではありません。

舌や唇、お口周りの筋肉が正しく使えるようになることも大切です。

当院では、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)を取り入れています。

MFTでは、舌の正しい位置や飲み込み方、口を閉じる力などをトレーニングし、お口の機能改善を目指します。

せっかく歯並びを整えても、お口の癖が残ったままだと後戻りの原因になることがあります。

そのため、小児矯正とMFTを組み合わせることで、より安定した治療につながると考えています。



定期的な経過観察が重要

小児矯正は、一度装置を付ければ終わりという治療ではありません。

成長に合わせて歯並びやあごの発育を確認しながら進めていくことが大切です。

また、矯正治療中は歯磨きが難しくなることもあるため、むし歯予防も欠かせません。

当院では、矯正中も定期的なクリーニングやお口のチェックを行い、健康な口腔環境を維持できるようサポートしています。

必要に応じてEMSを使用したクリーニングも行い、セルフケアだけでは落としきれないバイオフィルムをやさしく除去しています。

矯正治療と予防歯科を両立することで、歯並びだけでなく、お口全体の健康を守ることができます。



「様子を見よう」が最適とは限りません

歯並びは、お子さまの成長とともに変化します。

そのため、「もう少し様子を見ましょう」と判断することが適切な場合もあります。

一方で、早めに介入した方が成長を活かせるケースもあります。

だからこそ、「今すぐ治療するかどうか」を決めるためではなく、「今どのような状態なのか」を知るために相談することが大切です。

早めにお口の状態を把握しておくことで、最適なタイミングを逃さずに治療を始められる可能性があります。



最後に

小児矯正は、単に歯並びをきれいにするためだけの治療ではありません。

噛む・話す・呼吸するといったお口の機能や、将来のお口の健康を育てるための治療でもあります。

当院では、「予防歯科をベースにした小児矯正」を大切にしています。

歯並びだけを見るのではなく、お子さま一人ひとりの成長や生活習慣、お口の機能まで総合的に診ることで、将来を見据えた治療をご提案しています。

歯並びが気になる方はもちろん、「相談だけしてみたい」という方も大歓迎です。

ぜひお気軽にご相談ください。

監修者情報

監修者情報

理事長新原 拓也

Takuya Shinhara

当院では、できるだけご自身の歯を大切にする予防診療をベースに一般的な保険診療、セラミック等を用いた審美治療、小児歯科、矯正、インプラント等、幅広く包括的な治療を行って参ります。現在私は二児の子育て中でありますが、美しい歯並びを獲得するには幼少期からの食育や筋機能療法が有効であると強く感じております。