TOPICS 医療コラム

  • HOME  >  
  • 医療コラム  >  
  • 歯周病  >  
  • 歯並びだけじゃない!小児矯正がお口の健康につながる理由

歯並びだけじゃない!小児矯正がお口の健康につながる理由

「小児矯正は歯並びをきれいにするための治療ですよね?」

保護者の方から、このようなご質問をいただくことがあります。

もちろん、歯並びを整えることは小児矯正の大切な目的の一つです。しかし、小児矯正が目指しているのは、それだけではありません。

歯並びは、お口の健康と密接に関係しています。歯並びや噛み合わせが整うことで歯磨きがしやすくなり、むし歯や歯周病の予防につながるだけでなく、しっかり噛めることや正しい発音、鼻呼吸など、お口の機能全体にも良い影響を与えます。

さらに、お子さまの成長期は、あごやお口周りの筋肉が発達する大切な時期です。この時期だからこそできる治療があり、将来の健康なお口づくりにつながります。

今回は、小児矯正が歯並びだけではなく、お子さまのお口の健康にどのような役割を果たしているのかについて詳しくご紹介します。



歯並びは見た目だけの問題ではありません

歯並びというと、「見た目をきれいにするため」と考えられることが多いかもしれません。

もちろん、笑顔に自信が持てるようになることは、小児矯正の大きなメリットです。

しかし実際には、歯並びはお口の健康にさまざまな影響を与えています。

例えば、歯が重なっている部分は歯ブラシが届きにくく、磨き残しが増えやすくなります。磨き残しが続くと、細菌の塊であるプラークが蓄積し、むし歯や歯肉炎の原因になります。

反対に、歯並びが整うことで歯磨きがしやすくなり、セルフケアの効果も高まります。

また、噛み合わせが悪いと一部の歯に負担が集中しやすくなったり、食べ物を十分に噛めなかったりすることもあります。

つまり、小児矯正は「見た目を整える治療」であると同時に、「健康なお口を育てる治療」でもあるのです。



成長期だからこそできる治療があります

小児矯正の最大の特徴は、お子さまの成長する力を利用できることです。

大人の矯正では、すでに成長が終わったあごの中で歯を動かして歯並びを整えていきます。

一方、小児矯正では、あごの成長をサポートしながら永久歯が並びやすい環境を整えていきます。

例えば、永久歯が並ぶスペースが不足している場合でも、成長を利用してあごの発育を促すことで、抜歯をせずに歯並びを整えられる可能性が高くなることがあります。

もちろんすべてのケースで抜歯を避けられるわけではありませんが、早い段階で成長を見守ることで治療の選択肢を広げられることは、小児矯正ならではの大きなメリットです。



歯並びは生活習慣にも影響されます

歯並びは遺伝だけで決まるものではありません。

実は、お子さまの日常の習慣も歯並びに大きく関係しています。

例えば、口呼吸が続くと舌が本来あるべき位置より低くなり、あごの成長に影響することがあります。

また、舌で前歯を押す癖や指しゃぶり、頬杖なども歯並びや噛み合わせが乱れる原因になることがあります。

近年では、柔らかい食事が増えたことで噛む回数が減り、お口周りの筋肉が十分に発達しないケースもみられます。

歯並びを整えるためには歯だけを見るのではなく、お口全体の機能を確認することがとても大切です。



MFT(口腔筋機能療法)の重要性

当院では、小児矯正とあわせてMFT(口腔筋機能療法)を取り入れています。

MFTとは、舌や唇、お口周りの筋肉を正しく使えるようにトレーニングする方法です。

例えば、

舌を正しい位置に置くこと

鼻で呼吸すること

正しい飲み込み方を身につけること

口をしっかり閉じる力を育てること

などを練習していきます。

歯並びは歯だけで維持されているわけではありません。

舌や唇の力のバランスによって支えられているため、お口の癖が改善されないままでは、矯正後に後戻りしやすくなることがあります。

だからこそ当院では、歯を動かすだけではなく、お口の機能そのものを整えることを大切にしています。



プレオルソ・インビザライン・ファーストという選択肢

当院では、お子さまのお口の状態や成長段階に合わせて治療方法をご提案しています。

プレオルソは、お口周りの筋肉や舌の機能改善を目的としたマウスピース型の矯正装置です。

主に日中の1時間と就寝時に装着し、歯並びだけでなく、お口の機能改善も目指します。

一方、インビザライン・ファーストは、透明なマウスピースを使用し、永久歯への生え変わりの時期に歯並びを整えていく治療方法です。

透明で目立ちにくく、取り外しができるため、学校生活への影響も少なく、お子さまにも受け入れられやすい矯正方法の一つです。

どちらが適しているかは、お子さまのお口の状態によって異なります。

そのため、しっかりと診査・診断を行い、一人ひとりに合った治療方法をご提案しています。



小児矯正中も予防歯科が欠かせません

矯正治療では歯並びを整えることに意識が向きがちですが、それ以上に大切なのがお口の健康を守ることです。

せっかく歯並びがきれいになっても、むし歯になってしまっては十分な治療効果が得られません。

そのため当院では、小児矯正中も定期的な予防管理を大切にしています。

歯磨きの確認やブラッシング指導はもちろん、必要に応じてフッ素塗布や専門的なクリーニングも行っています。

また、EMSを使用したクリーニングでは、微細なパウダーと水流によって歯の表面のバイオフィルムをやさしく除去します。

歯や歯ぐきへの負担が少なく、矯正中のお子さまにも受けていただきやすいクリーニングです。

矯正と予防歯科を両立することで、歯並びだけでなく健康なお口づくりを目指しています。



定期検診が将来の健康につながります

小児矯正は、一度始めたら終わりではありません。

お子さまは日々成長しているため、あごの発育や永久歯の生え変わりを継続して確認していく必要があります。

当院では、お口の状態に応じて1〜3か月に一度の定期検診をおすすめしています。

定期検診では、矯正装置の確認だけではなく、歯並びの変化やむし歯・歯肉炎の有無、お口の癖なども総合的に確認します。

小さな変化に早く気づくことが、お子さまの将来のお口の健康を守ることにつながります。



最後に

小児矯正は、歯並びを整えるだけの治療ではありません。

噛むこと、話すこと、呼吸することなど、お口の機能を健やかに育てるための治療でもあります。

当院では「予防歯科をベースにした小児矯正」を大切にしています。

歯並びだけを見るのではなく、お口全体の健康や成長を見守りながら、お子さま一人ひとりに合った治療をご提案しています。

「歯並びが少し気になる」「矯正が必要か相談してみたい」という段階でも構いません。

早めにお口の状態を知ることで、将来の選択肢が広がることもあります。

どうぞお気軽にご相談ください。

監修者情報

監修者情報

理事長新原 拓也

Takuya Shinhara

当院では、できるだけご自身の歯を大切にする予防診療をベースに一般的な保険診療、セラミック等を用いた審美治療、小児歯科、矯正、インプラント等、幅広く包括的な治療を行って参ります。現在私は二児の子育て中でありますが、美しい歯並びを獲得するには幼少期からの食育や筋機能療法が有効であると強く感じております。