歯並びをよくするメリットについてお話させていただきます。
歯並びがよくなると、皆さん周知の通り、お口元の印象が変わります。
歯というものは下顔面の大部分を占めるものであるため、お口元の印象だけでなく、お顔全体の印象も変わります。
上顎と下顎の位置を正しい位置に持ってくることにより、お顔全体の印象が美しくなり、唇のふくらみや、強いては、ほうれい線やしわの改善にも繋がります。
審美性、見た目が綺麗になる、美しくなるということは素晴らしいことですが、それ以上に我々、歯科医師が注目している点につきましては、歯並びがきれいになることによって、虫歯・歯周病そして、顎関節症になりにくくなるということがあります。
歯がボコボコと前後に並んでしまっていると、どうしても歯磨きが難しくなったり、歯の清掃が難しくなったりします。
また、段差があることで食べ物が詰まりやすくなったり、プラーク・歯垢がたまりやすくなったりもします。
このことにより、歯並びが綺麗な人と同じように歯ブラシやフロス・歯間ブラシなどで歯の清掃を頑張っていただいたとしても、どうしても歯科疾患に罹りやすくなってしまうという事実があります。
また、歯がデコボコしていると歯の1本1本の当たり方が本来の歯が持っている歯の力のかかり方と違うかかり方をしてしまうことがありますので、そうなると歯周病の進行にも繋がりやすくなります。
また、正常な位置に歯が並んでないことによって、顎の関節、上顎と下顎の起点となる顎の関節に負担がかかり、顎関節症を起こしてしまうこともあります。
顎関節症で来院される患者様は沢山いらっしゃいますが、その際は、まずは、対症的な療法として、いわゆる、寝るときに入れていただく「バイトプレート」という「ナイトガード」のようなものを入れていただき、顎の関節を安静にさせます。
しかし、ナイトガードというものはまた使わなくなったり、外す期間が長くなったりすると、顎にまた症状が出てきてしまいます。
その原因は、歯並びにあることが多いため、根本的に歯並びを治すことにより、顎関節症を改善させることも大切だと考えております。
そのため、歯並びをよくすることは、見た目以上に機能の面・健康の面にメリットがあると私は考えております。
また、歯並びを綺麗にしやすい年齢(具体的には5歳から10歳ぐらいのお子様の年齢)から歯並びに注目してお口の中の環境を整えていくことが、大切だと私は考えております。
5歳から約12歳前後までの小児期のお子様は、歯並びだけでなくお口の骨格から変えることができます。
この素晴らしい期間に、必要なお子様へ、必要な治療をさせていただくことで、大人になった時の健康を獲得できると考えております。
歯並びについて、見た目が注目されがちですが、それ以外のメリットも多くあるため、1度お気軽にご相談ください。