小児矯正とMFTトレーニングの本質を知る
〜お子さまの未来を整える医療とは〜
お子さまの歯並びに関して「ちょっと気になるけど、成長すれば自然に治るのでは」と感じていませんか?あるいは「まだ乳歯だから問題ない」と思っていませんか?こうした認識が、実は将来的な噛み合わせや発音、姿勢、そして全身の健康にまで影響を与えることをご存じでしょうか。なんばエッセ歯科・小児歯科クリニックでは、小児矯正とMFT(口腔筋機能療法)を通じて、お子さまの「歯並び」だけでなく「健やかな成長発達」そのものを支援しています。今回のコラムでは、歯科の枠を超えた口腔機能育成の視点から、小児矯正とMFTの必要性と重要性、そして具体的な取り組みについてご紹介いたします。
①なぜ今「小児矯正」と「MFT」が注目されているのか?
現代の子どもたちは、過去に比べて「噛む回数が少ない」「やわらかい食事が多い」「口を開けたまま呼吸するクセがある」「舌を前に出す」「猫背」など、顎や顔面の成長に悪影響を与える生活習慣に囲まれています。
また、指しゃぶり、口呼吸、舌突出、頬杖、異常嚥下癖などの「口腔習癖」は、単なるクセではなく、骨格や歯列の成長を阻害する大きな要因となります。これらが原因で、将来本格的な矯正治療や外科処置が必要になることも少なくありません。
これまでの矯正治療は、「大人になってから歯並びを治す」ものでした。しかし近年では「成長期に介入し、正しい機能と構造を“育てる”」という予防的かつ発達支援的な観点が重視されています。これは、歯科だけでなく発育医学全体のトレンドでもあります。
②小児矯正の本質とその可能性
小児矯正の本質は「予防と誘導」です。「乱れた歯を無理やり並べる」ものではなく、具体的には「将来きれいに並ぶためのスペースをつくる」「顎の成長をコントロールする」「口腔筋機能を育てる」ということ。つまり、問題が起きる前に原因を解消する先回りの治療です。治療の適齢期は一般的には6歳〜12歳が矯正開始の黄金期とされています。この時期は「乳歯と永久歯が混在し」「顎の骨が柔らかく」「成長ホルモンの分泌が活発」なため、骨格や歯列にアプローチしやすいのです。当院では症状や年齢に応じて様々な矯正法をご提案しています。
・プレオルソ、マイオブレイス:歯並びと顎の成長を整え、口呼吸や舌のクセなど悪い習慣も改善するためのマウスピース型装置
・拡大床:顎の幅を広げてスペースを確保する装置
・インビザライン・ファースト:見た目に配慮した透明マウスピース矯正
上記の矯正法を通じて、口腔内の環境と成長のバランスを整えていきます。
③MFT(口腔筋機能療法)とは何か?
実は歯並びや噛み合わせの問題の多くは、「筋肉の使い方のクセ」によって引き起こされます。特に「舌」「唇」「頬」の使い方が間違っていると、正しい咀嚼や嚥下、発音ができず、歯列のバランスが崩れていきます。そこで、MFTでは以下のような機能を育てます。
・舌の正しい位置(スポットポジション)
・口を閉じた状態での安静位
・鼻呼吸の確立
・正常な嚥下(飲み込み)
・正確な発音機能
・姿勢と口腔の連動運動
当院では、個々の状態に応じて個別のMFTプログラムを作成しています。トレーニングはゲーム感覚でできる内容も多く、子どもたちも楽しく続けられる設計にしています。
・1ヶ月ごとの通院指導
・毎日の家庭トレーニング(1回5〜10分)
・専用のトレーニングノートによる習慣化
・定期的な成果チェック
④小児矯正×MFTの相乗効果で得られる“未来”
矯正治療で歯を動かすだけでは、治療後に後戻りするリスクがあります。その大きな原因が「口腔周囲筋の未発達」や「舌の癖」。つまり、歯を支える土台(筋機能)を育てなければ、美しい歯並びは維持できないのです。MFTはこの筋機能の再教育を担い、正しい舌の動き・呼吸・飲み込み・発音を日常動作として定着させます。これにより、歯列への不要な力がかからなくなり、矯正後の安定性が格段に高まります。
・発音が明瞭になり、言葉に自信が持てるように
・口呼吸が改善され、風邪・アレルギーリスクが軽減
・舌の位置が正しくなり、姿勢や集中力にも好影響
・食事がしっかり噛めて、消化・吸収効率がアップ
こうした「二次的効果」が、実は保護者からの評価が最も高い点です。お子さまの“見えない成長”を促すのが、小児矯正とMFTの本質なのです。
⑤ご家庭でのセルフチェック&サポート
<ご家庭でできるチェックポイント>
・食事中、左右どちらかだけで噛んでいないか?
・話すときに舌が歯の間から出ていないか?
・いつも口が開いていないか?
・寝ているとき、口を開けていないか?
・発音で「サ行」「タ行」に違和感はないか?
<ご家庭でのMFTサポート術>
・「舌の位置」を毎日1回チェックする習慣
・水を飲み込むときに「ゴクン」の音を出す練習
・歯磨きの前後に「口を閉じて鼻呼吸」を意識
・鏡を見ながら「イー」「ウー」と口の体操
これらは全て、特別な器具を使わずできる家庭トレーニングです。短時間でも継続が鍵なので、ぜひお試しになってください。MFTや矯正治療は決して“楽しい”ものではありません。しかし、親子で一緒に取り組むことができれば、その時間は「信頼と成長を育むコミュニケーション」になります。「今日も練習頑張ったね」「鼻呼吸できたね」「発音きれいになったね」など、小さな成長を一緒に見つけてあげてください。
⑥当院の治療実績と信頼性
なんばエッセ歯科・小児歯科クリニックでは、年間約300件以上の小児矯正・MFT相談を受けており、院長をはじめ矯正専任の歯科医師も在籍しています。保護者の皆さまからも、「就学前に相談できてよかった。学校でも堂々と発言できるようになった」「通うたびに本人の意識が変わっていくのを感じる」「MFTって最初は分からなかったけど、実際に始めたら日々の変化が明らかだった」といった嬉しいお声をいただけるようになりました。その信頼を損なうことがないよう、当院では下記を警鐘しています。
・「早すぎる矯正は良くない」は誤解
実際には、成長のピークを逃さず介入することで、負担も費用も軽く済むことが多いです。
・「大人になってからでも間に合う」は“間に合うが最善ではない”
確かに矯正は大人でも可能です。しかし、顎の成長が止まった後ではできることが限られてしまいます。
・「乳歯のうちは関係ない」は間違い
乳歯列期の習癖が、永久歯列への悪影響を及ぼします。早期介入が将来の咬合を守ります。
⑦費用と制度面についての詳細
<当院の費用目安>
・初診相談:無料
・小児矯正(プレオルソ、マイオブレイス・拡大床・インビザラインファースト):11〜66万円
・調整料、保定装置込み
・MFTトレーニング:1回4,500円
<支払い方法>
・分割払い可(月額1万円〜)
・デンタルローン対応
・医療費控除対象
大人になってからの矯正治療(全顎・ワイヤー)は95〜120万円程かかることも珍しくありません。小児期の段階で土台を整えておけば、結果的にトータルの医療費を抑えることにつながります。
⑧よくある質問Q&A
Q1:MFTって何歳から始められますか?
→当院では4歳から対応しています。症例によっては3歳でもスタート可能です。
Q2:途中でやめたくなったらどうすれば?
→一度やめても、再開可能です。お子さまの心理的負担にならないよう柔軟に対応します。
Q3:装置が目立つのが気になる
→透明なインビザライン・ファーストのような審美性に配慮した選択肢もあります。
Q4:学校に行きながら治療できますか?
→もちろん可能です。土曜日診療、通学前後の予約枠を設けています。
最後にお伝えしたいこと
歯並びは「生まれつき」で決まるものではありません。「食べ方」「話し方」「呼吸の仕方」といった日常の積み重ねが、未来の口元と健康を作っていきます。私たちは、お子さまがただ歯並びがきれいになるだけでなく、自信を持ち、健康で、思い切り笑える人生を送ってもらうための“伴走者”でありたいと考えています。早期のご相談こそ、最良の未来への第一歩です。